ふと「イケメンに生まれてみたかったな」と思った。
が、その2秒後には「いや、別にそうでもないか」と打ち消した。
強がりなのかもしれない。
そりゃ、身長180cm前後のすらっとした体型で、見目麗しく、頭脳明晰で、運動神経にも恵まれたパーフェクトヒューマンな人生がうらやましくないと言えば嘘になる。
大して頭が良いわけでもない、何かを極めるほどの集中も努力もできなかった。楽器もできず、歌もうまいわけではなく、踊りも踊れない。しゃべりが特別うまいわけでもない。なんでYoutube始めたんだろう。
度重なる幸運とかけがえのない出会い
割と真面目な学生時代を送っていたので、そこそこ良い高校からそこそこ良い大学に入り、ほぼ元気ハツラツさを買われてNECに拾われて夢だったシステム屋になる幸運に恵まれた。
最初の配属先の部長からは「なんか元気が良いから」という理由で引っ張ってもらい、そこで出会った仕事を15年やり続け、やばいプロジェクトを渡り歩いた結果、幸運にもそれなりの専門性を身につけることができ、今の会社にヘッドハンティングされた。
27歳で結婚し、子供にも恵まれた。絵に描いたような幸せな家庭だと自分でも思うし、僕のような人間には過ぎたる幸運であるとも思っている。
仕事でもプライベートでも多くの人に助けてもらった。自分が密かにロールモデルとしている上司とも出会えた。今でも会えば馬鹿話に花が咲く仲間もできた。
唯一人と違うことがあるとすれば、なんやかんやブログを15年ぐらい書き続け、2010年から2013年の間に本を7冊出す幸運に恵まれたことぐらい。ポッドキャストは3年、メルマガ2年、Youtubeが1年、なんだかんだ続けられている。
どれもメジャーからはほど遠いインディーズであるが、少なからず読んだり視聴してくださる方々がいる。
平凡だが幸運な人生
ここまで書いて確信したが、やはり僕は取り立てて優れたところのない、平凡な人間である。仕事は相変わらずキッツいけれど、愛すべき家族や仲間がいてなんだかんだ幸せで、人気があるとは言いがたいブログやYoutubeにも読んだり視聴してくれる人がいてくださることがとてもありがたい。
何かの偉業を成し遂げられそうも無く、見目麗しくなく、人格者でもなく、天才でもなく、秀でた特技もない、ごく平凡なサラリーマンである。しかしながら、度重なる幸運や上司/仲間との出会いに恵まれて今があり、なにより大切だと思える家族と幸せに暮らしている。
だから僕は、この平凡だが幸福な人生を他の誰かと取り替えたいとは思わない。持っていないものも確かに多いが、それ以上に持っているものの方がずっと大切だと思っているからだ。それらは十分どころか、僕には勿体ないほどである。