40を手前にして思ったことが、自分が年を取ったということと両親も高齢にさしかかったということだった。
うちの父親はかなりのスキー狂で、社会人になるまでは毎年家族でスキーに出かけていたし、なんなら一人で日帰りスキーに出かけまくっていた。当然、スキー関連の出費は相当なものだったろう。
そんな父にとって、孫とスキーへ行きたいという願望は至極当然のことで、当初はしぶっていた妻も去年から雪山へと付き合ってくれるようになった。
70を超えた父が、孫とスキーを楽しむことができるのはあと何年ぐらいだろうか。老齢の両親とともにスキーに行くことが出来るのはあと何年だろうか。
そう考えた時「今しか出来ない事を優先しよう」と強く思うに至った。親孝行と言えば聞こえが良いが、その考えの裏にはそう遠くない未来にやりたくても出来なくなる事態の予見がある。
常に最善の、最高の人生を送る方法を僕は知らないが、後悔を極力避ける選択をすることはできる。40年も生きていると「やりたくても出来なくなる後悔」を嫌という程味わってしまっているからだ。
自分が年をとるということは、子供はいつまでも子供ではないということであり、両親もいつまでも健在という訳にはいかないということでもある。いつか自分も年を取り、できることが少なくなり、寿命を迎える。もしかすると、自分だって後何年も生きていないかもしれない。
ならば、今できる最も後悔のない選択をしよう。先送りせず、今しか出来ないことを優先しよう。両親が健康な内に、できる限りの事をしよう。それでもきっと、後悔は残ってしまうのだろうけど、できる限りのことをしよう。